2017年02月12日

さよならタマちゃんを読んだ

何とか熱も下がり、夕方にはたま子と雪の残る公園で遊んできた。大きな雪だるまと、小さなカマクラに喜んでくれたようだ。

病床で、武田一義さよならタマちゃんを読んだ。主人公は漫画家のアシスタントをしている35歳の既婚男性だ。精巣腫瘍が肺に転移して、化学療法に切り替わるところから物語がスタートする。BEP療法の副作用による吐き気、食欲不振、味覚要害の苦しみを、先輩患者のアドバイスや奥さんの献身によって乗り切る。クビになることを覚悟していたアシスタントも、漫画家の先生から武田くんの復帰を待つという申し出がある。そのときの先生のセリフがカッコいい。「迷惑かけたくない気持ちも分かりますけど、病気なんだからそれはあきらめませんか」

周りの言動が癇に障るというのも、入院患者ではありがちなことらしい。主人公のケースでは暴言の矛先が奥さんに向かい、そのことを後悔して主人公は落ち込む。このケースでは夫婦の絆を深めることになるのだが、患者同士で起きた諍いも描写されている。これって入院あるあるなのかもしれないな。

主人公である武田さんは化学療法が効いて完治する。手のしびれという漫画家志望者にとってはキツい後遺症を伴ってはあるが。退院間際に同じ精巣腫瘍患者の市川さんと主人公が語り合うシーンがある。「忙しかったのはホントだけど、命より大事な用事なんてひとつでもあったのかな。『今すぐ病院に行け』ってあの時の自分に言いたいよ。」市川さんの言葉だ。

さて、たまごどんには抗がん剤治療で苦しんでいる谷庵さんという友人がいる。さよならタマちゃんをたまごどんが手に取ったのも、彼のことが頭の隅にあったからだ。たまごどんでいうと、たま子はまだ4歳なので死ぬ訳にはいかない。しかし、彼女が15歳だろうが20歳だろうが、たまごどんは同じようなことを言いそうだ。「あの子が成人するまで‥」「あの子が結婚するまで‥」

作中の先輩入院患者である田原さんが呟くシーンがある。「年の順に人が死ぬのはそれほど悪いものじゃない。」そうかもしれないな。順番さえ狂わなければ、必ず訪れるその時の遅早は大した問題ではないのかもしれない。

少し湿っぽくなった。この漫画は武田さんのデビュー作になる。内容は相当にシリアスだが、絵柄が可愛らしく読み易い。それに、抗がん剤治療の実態を理解する入門書になっていると思う。武田さんには他にもいくつか作品があるようなので、目に留まったら読んでみます。
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th302d at 23:59│Comments(5)TrackBack(0)漫画 

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この記事へのコメント

1. Posted by ジャジー   2017年02月13日 03:34
>たまごどん 君

本当に久しぶりだね。
娘さんが元気なようで、何より。

まずは、個人的な都合であることは承知の上で、言い訳をさせてほしい。

数週間音沙汰無しで、本当にすまなかった。
ここのところ、土曜も日曜もなく、丸一日休んだ事がない。
君の事は気にかけているが、会話の為の時間が全く取れないのだ。
おそらく、この状態は年度末までは続くと私は読んでいる。

だが、ちょくちょく挨拶だけはするようにしたい。
キザな言い方だが、礼儀を守ることは、私の誇りなのでね。

それじゃ、これからも頑張って。
2. Posted by たまごどん   2017年02月13日 22:37
忙しいのであれば、仕事優先で頑張ってください。ここは来る人拒まず、去る人追わずの精神でやっています。なにしろジャジーさんで出禁にならないんですからね。

ところで‥

>礼儀を守ることは、私の誇りなのでね。

ジャジーさんの「礼儀」は、私の考える礼儀とはズレているようですね。
3. Posted by 谷庵   2017年02月14日 09:33
このコメント欄ではお久しぶりです。

精巣がんというのは転移が早く、しばらく前には死の病気だったのですが、最近では治療法の進歩により、かなり治る病気になりました。

抗がん剤は毒だと言い張る人に聞かせてやりたいですね。

ところで、私は抗がん剤の副作用で苦しんでいるだけではありません。

単なる知識でしか無かったものを実体験することで、成る程こういうことか、という発見の喜びもあります。

吐き気で食事が出来ないときは辛いですが、それ以外の副作用はあまり深刻ではありません。

ブログに書いているように、結構楽しんでいますよ。

4. Posted by ジャジー   2017年03月06日 01:36
>谷庵 氏

ほんとうにお久しぶりですね。
お体は大丈夫なのでしょうか?

たまごどん君のブログは見ました。
私は、長い間そちらの心配をしておりました。

私は、がんとの闘病は(近い将来あるかもしれないにせよ)まだ経験がないので、いい加減な事は申しません。
谷庵さんが日々を無事に過ごされることを、ただただ祈るばかりです。

たまごどん君以上の知識を持つそちらとのやりとりは、本当に良い思い出です。
医学・生物学的な事については全くの門外漢の私が、今でも福島原発の現状や低線量被ばくに関する関心を捨てていないのは、そちらとのやりとりが一番大きい。
私は、貴重なお時間を持てたことを、感謝しています。

最後になりますが、本日までお返事ができず、誠に申し訳ありませんでした。
お返事の遅延は、こちらの勝手な都合であり、深くお詫びを申し上げます。
5. Posted by ジャジー   2017年03月06日 01:52
>たまごどん 君

君も久しぶりだな。
どうかね、体調は?

仕事もいいが、自分の体は仕事以上に大切にしないといけないよ。

>ジャジーさんで出禁にならないんですからね。

(苦笑)
よく口が回る坊やだ。

>ジャジーさんの「礼儀」は、私の考える礼儀とはズレているようですね。

意味が分からんが、
若ければ反抗もしたくなるだろうよ。

さて・・・最後に。

森友学園の件で、安倍氏は国家や国民を守る人間ではなく、自分自身(とその妻)を守るだけの人間だということが、すっかりバレてしまったようだな。

こんなザマでは、自民党議員を守ることすらできまい。
今までに安倍氏を無批判に持ち上げていた人々も、これで目が覚めたのではないかな。

どうだい、安倍さん。
本当の自分を広く知ってもらえて嬉しいだろう。

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