日本郵政が400億円の純損失を計上することになった。子会社の豪州物流最大手だったトールの業績低迷を受けての措置だ。トールの資産価値を4000億円切り下げるという。

ここの記事を読むと、トールの買収価格6200億円は高く見積られすぎているとの評判もあり、日本郵政とのシナジー効果も薄いのではと考えられていたようだ。それを押し切ったのが当時社長の西室泰三氏である。

西室氏は東芝社長・会長を歴任し、東京証券取引所所長、郵政民営化委員会委員長、そして日本郵政社長になった人物である。日本郵政の勝ちシナリオは2016年から始まった日銀のマイナス金利政策により崩れてしまっており、その代替策がトールの買収だったようだ。しかしM&A、特に海外企業相手のM&Aは難しいものだ。西室氏は東芝時代にウェスティングハウス社の買収に踏み切ったときの責任者でもある。当時の経済及び社会情勢で東芝が同社の買収に踏み切ったこと自体は理解できなくもないが、結果的にはこの決断が東芝の凋落を招いてしまった。つまり西室氏は、東芝と日本郵政の二度とも、社運を賭けた大型M&Aに失敗したことになる。罪の重さとしては粉飾決済の組織的関与の方が悪質なのかもしれないけど。

たまごどんがYahoo!で西室泰三と検索すると、「西室泰三 無能」がトップで出てきた。彼が日経連会長の座を早々にあきらめれば、ここまで晩節を汚さなくて済んだかもしれないが。引き際の決断はいつも難しいものなのだろう。
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