2017年10月29日

井山裕太七冠の矜持と覚悟

図書館で借りた本が井山裕太七冠の勝ち切る頭脳だ。井山さんは囲碁界初の七冠王となった若き天才棋士である。彼が中国や韓国の棋士について、そしてAIについてどう考えているのかを読みたくなったのだ。

彼は中国や韓国の強さを正確な中終盤の力と考えている。

>僕が対戦していて特に感じるのは、読みであったり計算であったりといった「答えの出る分野」での正確さが際立っているという点です。(p189)

その正確さは布石分野にも及んでいること、中韓の囲碁人口の裾野の広さについても言及する。しかし、彼らの選手寿命が短く、その殆どが30代で国際棋戦から姿を消すことにも触れ、彼はこう結論する。

>(日本人のトップ棋士は)決して人真似ではなく、誰にも真似のできない「自分だけの碁」を、10代から20代にかけて確立してきた強みなのです。(p195)
>実際に中国や韓国の棋士にも、イ・セドルさん(韓国)やチェ・チョルハンさん(韓国)、古力さん(中国)のように30代になっても世界のトップで活躍されている人がいて、彼らは例外なく「自分の碁」を持っている人です。(p197 原文では韓国棋士の人名は漢字)

AI碁の代表格であるアルファ碁について、井山さんは「掛け値なしに強い」と太鼓判を押す。アルファ碁の強さは、彼の予想に反して、正解のある局面で間違い、むしろ答えの出ない場面で強かったそうだ。彼はAI碁との対局を希望している。これは彼自身の言葉で語ってもらおう。

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このように、人工知能をめぐって様々な想いが錯綜しています。そうしたなかで、僕がはっきり心に決めているのは「それでも自分はやっぱり、少しでも進歩したい」ということです。今の僕が抱いている気持ちは、これに尽きると言っていいでしょう。

どんなに人工知能が発達して強くなったとしても、僕の囲碁に対する興味が途切れてしまうことはありません。そしてこの気持ちが続く限りは、今よりちょっとでも囲碁がわかるようになりたいと思うのです。(p226)
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th302d at 10:06│Comments(2)囲碁 | 読書

この記事へのコメント

1. Posted by えちぜん   2018年04月29日 09:54
ご無沙汰しております。

テレビを見ていて一つ疑問がありましたのでこの場を借りて質問させていただきたいと思います。

”本因坊文裕”とは?

将棋の永世位のようなものなのでしょうか?
2. Posted by たまごどん   2018年05月03日 04:13
本因坊ってのは、江戸時代の囲碁の家元で、名前のとおり僧侶だったんよ。という由来で、永世本因坊を名乗る者は、俗名を捨てるという伝統があります。趙治勲さんはそのままだけど。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AC%E5%9B%A0%E5%9D%8A

高川格 →本因坊秀格
坂田栄男→本因坊栄寿
石田芳夫→本因坊秀芳
趙治勲 →本因坊治勲
井山裕太→本因坊文裕


文裕(もんゆう)の由来はここにありました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%95%E5%B1%B1%E8%A3%95%E5%A4%AA

>9月9日の本因坊就位式で本因坊の号を「文裕(もんゆう)」とすると発表した[1]。本因坊ゆかりの京都・寂光寺の大川定信(じょうしん)住職が、知恵を象徴する文殊菩薩(ぼさつ)と、井山の名前から1字ずつ借りて命名した。

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