2020年04月27日

「アビガンは効かない」は、効くとのエビデンスが現時点で無いということだ

アビガンは効かないという記事を見つけたので、興味深く読んだ。正確には「アビガンが効くとのエビデンスは無い」という主張だが、k_owaki氏の文章が高慢で鼻につくな。

酒井健司医師は、ランダム化比較実験を行っていない治療薬は、その治療薬が本当に有効かどうかを正確に知る手段はないと説く。

>治療薬やワクチンの有効性を調べるための標準的な方法は、ランダム化比較試験です。新型コロナウイルス感染症にアビガンが有効かどうか調べたいなら、患者さんを治療群と対照群にランダムに分け、治療群にアビガンを投与し、対照群には投与せず、回復するまでの時間や回復した人の割合などを比較します。臨床試験を計画し、実行し、結果を発表するまでには時間がかかります。

> 「効果がある可能性があるなら、臨床試験の結果なんか待っていないで、どんどんアビガンを使うべきだ」という意見もあるかもしれません。しかし、たとえ劇的に効いているように見える治療薬でも、本当は効果がないかもしれないのです。新型コロナウイルス感染症は、アビガンを使わなくても回復しうる病気です。アビガンを投与して回復した症例をいくら集めても、アビガンのおかげで治ったのか、それともアビガンを使わなくても治ったのか、区別がつきません。だからこそ、ランダム化比較試験はぜひとも必要です。ランダム化比較試験以外で、その治療薬が本当に有効かどうかを正確に知る手段はありません。

ごもっとも。二重盲検法が治療薬の効果を量る手法であることはたまごどんも分かっている。しかし、しかしだ。もしも今現在、たまごどんが新型コロナに罹患して瀕死になったとして、二重盲検法の結果を待つわけにはいかないのだ。

「アビガンは効かない」を書いたk_owaki氏はこう嘯く。

>そもそもCOVID-19は軽症なら勝手に治る病気です。重症で人工呼吸器が必要になっても、割合は諸説ありますが、みんな死ぬわけではありません。

そうだな!全員は死なないかもしれないが、オイラが死ぬかもしれないのだ。重症となって人工呼吸器に繋がれたり、エクモで体力勝負に持ち込めたとしても、その体力で負けるかもしれない。アビガン使用のガイドラインは病院に通達されているので、イザというときには投与されると思うが、ギリギリとはいえ40代だから医者が投薬を躊躇うかもしれない。

アビガンは現在、第三相臨床試験が行われている。結論が出るのは6月末だ。

>富士フイルムホールディングス傘下の富士フイルム富山化学が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を対象にスタートさせた「アビガン」(ファビピラビル)の第3相臨床試験(企業治験)の詳細が明らかになった。第3相臨床試験は、重篤ではない肺炎を合併したCOVID-19の患者を対象とし、新型または再興型インフルエンザウイルス感染症を対象に国内で承認されている用法・用量から、投与量を引き上げ、投与期間も長くする。

この結果が出る前に感染したときは、リスクとメリットを天秤にかける必要が出てくる。アビガンの副作用はここで書いた通りだ。たまごどんは家族に、いざというときにはアビガン投与を希望することを伝えておいた。6月末にアビガンの効果がなかったと判明しても、たまごどんは自分の判断を悔いないつもりだ。それだけの覚悟ができる調査はした。
avigan



th302d at 23:56│Comments(2)新型コロナ | 社会

この記事へのコメント

1. Posted by たまごどん   2020年05月20日 08:43
アビガンの有効性が示せていないようです。

>新型コロナウィルス治療薬候補アビガンを巡り、国の承認審査にデータを活用できると期待された臨床研究で、明確な有効性が示せていないことが19日、分かった。複数の関係者が共同通信に明らかにした。感染した著名人がアビガンの投与後に回復したと公表し、安倍晋三首相は「5月中の承認を目指す」とするが、現時点で薬として十分な科学的根拠が得られていない状況だ。

https://www.47news.jp/news/4827439.html
2. Posted by たまごどん   2022年10月01日 23:28
アビガン治験、月末で打ち切り オミクロン株では効果の検証難しく

https://www.asahi.com/articles/ASQ3G61NHQ3GULBJ014.html

ここでの月末は2022年3月のことです。
もっとも、たまごどんはここの記事を全部読んでいませんけど。

創薬は難しいのだねえ。

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