2021年11月25日

佐藤康光会長の「暴銀」

羽生世代の中でA級に在位しているのは、羽生九段の他には佐藤康光九段しかいない。彼は日本将棋連盟の会長職にあるので、肩書を会長にしよう。佐藤会長は昔は精緻な矢倉戦を得意にしていた印象があるが、会長職の多忙のためか、いわゆる研究将棋から離れて、角交換向飛車を主力としている。

会長職が忙しいはずなのに、最近の成績は目を見張るものがある。木村一基九段と王座戦の挑戦者決定戦を戦い、もう少しで挑戦者に名乗りをあげるところだった。そんな彼が、棋王戦挑戦者の本戦トーナメントで郷田九段と戦った。11/24のことだ。あと2連勝すると挑戦者決定ニ番勝負に進出する。(棋王戦はベスト4から二敗失格システム。詳しいことは将棋連盟HPの棋王戦トーナメントを見てもらうとして、押さえておくべきことは結構な大一番ということだ。)

この将棋が凄かった。後手の佐藤会長が角交換向飛車に構え、71に居た銀を82⇒93⇒84⇒85と進め、94銀!と端歩を取った。この銀はネットで「暴銀」と名付けられることになる。後手の主張は居玉が固く、92飛の応援が効くことだ。しかし、それにしても…。

道場で強いオジサンが指すような将棋と言えばいいかな。もちろんプロなので裏付けはある。しかし、佐藤会長の後に続く若手棋士は出てこない。その状況は、鬼滅の刃の岩柱である悲鳴嶼行冥さんのようなものだろうか。基礎体力に優れた行冥さんは、あまり子供人気が無い。丸太を振り回すような棋風の佐藤会長を真似しようにも、そもそも丸太を振り回せないのかもしれない。

一時は郷田九段が優勢になったようだが、そんなの関係ねえ!駒を打ち付けて空中楼閣を築き上げ、郷田九段に競り勝った。あの将棋で本格派の郷田九段をねじ伏せたのが凄いのだ。そしてこの名言が生まれた。やはり今、将棋界は熱いと思うぞ。




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th302d at 23:25│Comments(0)将棋 

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